まさか [日常]
10月初めの土曜日の事である。
午後3時頃に仕事が一段落したので、思い立って自宅に戻った。
古くなったカラー剤を処分しようと、物置に取りに行ったのだ。
車で1分もかからない道中、速やかに戻るつもりだったのだが・・・
自宅前の駐車場に近づいた時だった。
草刈りをしたばかりの更地に、何やら居るのである。
近寄ってみると、子猫が横たわっている。
首輪や目印が無いので、野良猫だ。
おそらく、前の道で車に跳ねられてしまったのだ。
すでに息は無く、数匹のハエが回りを飛んでいた。
放っても置けないし、別の場所に捨てるわけにもいかない。
我が家の駐車場だし、これも何かの縁なんだろうと、
自宅裏のネズミの額ほどの庭に埋葬したのだった。。。
2日後の休日。
家でテレビを見ながら、何となく子猫の事を思い出した。
そういえば・・・ 埋葬した日の前日の夕方、
似たような大きさ・柄の猫が店の玄関先を横切っていったっけ。
その時、目が合ったんだよな。
呼ばれたのかな? まさかね。
目が合った猫と、駐車場の猫が同じだという確証は無いが、
そんな思いがフッと頭を過った。 運悪く失われた命だけど、
生まれ変わって、またこの世に生を受ける事があるならば、
今度は一生を全うして欲しいものである。