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捨てちゃダメッ! [日常]


ある日の事である。 かみさんが、

「お父さん、今晩何食べる?
   
蒸しタオルでいい?」

・・・あつあつだろうけど、噛み切れるかな?

その晩、「蒸し鶏」をツマミに飲みましたよ。^^;


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この
蒸し鶏には、思い出がある。

我が地域には、大晦日の年越し蕎麦は存在しない。

その代わり、みんなで御馳走を食べて年を越すのである。

御馳走は、とにかく沢山作る。 ので、

余ったものが正月のおせち料理になる。

それに雑煮が付くのが一般的なのだ。

御馳走といっても、特別なものが出てくるわけではない。

昔の床屋さんって、31日は稼ぎ時で、夜遅くまで仕事をしていたのです。

時代の流れと共に次第に早くなり、私が高校生の頃には17時30分閉店。

家族団欒で、年の瀬を迎えることが出来るようになった。

それでも共働きだったので、母親も凝った料理など作る時間は無いのである。

トンカツ・エビフライ・茶わん蒸し・凍ったマグロの赤身の刺身・

煮物・漬物が定番で、その中に蒸し鶏もあった。 

私、これが大好きで、特にゼラチン状になった皮がたまらないんですよ。



KIMG0083 (3).jpg  
これは、蒸し鶏にはなりません。^^
 

結婚して初めての大晦日、かみさんも馳走作りに初チャレンジ、

彼女が蒸し鶏を作ってくれた。 さあ出来上がって、みんなで年越しだ。

私は大好きな蒸し鶏に箸を伸ばす・・・ ん? なんか変だぞ??

その蒸し鶏には、付いているはずのプルプルの皮が無い!

なぜ付いていないのかと尋ねると、

かみさん、ビックリした顔をして「え、捨てちゃった!」

ガ~~~~~~~ン!!!

かみさんの実家では食べないので、いつも捨てていたんだと。

私は、「皮が付いてないと蒸し鶏じゃない!」と猛抗議。

翌年からは、無事に皮付きの蒸し鶏が出るようになったのである。

我が家では、年間通して定期的に出る料理だ。

それを見るたびに、いつもこの事を思い出す。

違う習慣同士が一緒になったが故に起こる、よくある出来事であった。

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